矯正治療後に後戻りを起こす原因とは?予防するために大切なことも
こんにちは。尼崎市長洲西通、JR「尼崎駅」南口より徒歩1分にある歯医者「すずき歯科クリニック」です。

歯列矯正を終えたあと、多くの方が感じるのが「やっと終わった」という安心感です。
しかし、矯正治療の本当のゴールは、歯並びが整った状態を長期間維持することにあります。そのため、矯正後に歯が元の位置に戻ってしまう後戻りと呼ばれる現象には注意が必要です。
せっかく長い時間と費用をかけて治療したにもかかわらず、後戻りが起こると、見た目や噛み合わせの問題が再び生じる可能性があります。
今回は、矯正後に後戻りが生じる原因から予防策、そして後戻りが起こった場合の対処法について解説します。矯正治療を受けた方や、これから治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
後戻りとは

歯列矯正後の後戻りとは、矯正治療で整えた歯並びが、時間の経過とともに元の位置に戻ろうとする現象を指します。
矯正治療は歯に力を加えて少しずつ正しい位置に動かしていくものですが、歯を支えている骨や歯周組織は、元々の状態を記憶しています。そのため、矯正装置を外した直後は特に不安定な状態になっており、適切に管理しなければ、再び歯並びが乱れる可能性があります。
後戻りは見た目の問題だけでなく、咀嚼機能や発音など日常生活にも影響を及ぼすことがあるため、非常に重要な課題といえます。特にリテーナー(保定装置)を正しく使っていない場合や、生活習慣に問題がある場合には後戻りが起こりやすいため、注意が必要です。
矯正治療後に後戻りを起こす原因

矯正治療後に後戻りが起こる背景には、さまざまな要因が関係しています。ここでは主な原因を項目ごとに詳しく見ていきましょう。
リテーナーの使用不足
矯正治療後に装着するリテーナー(保定装置)は、整った歯並びを維持するために非常に重要な役割を果たします。
しかし、リテーナーの装着を自己判断でやめてしまったり、装着時間を守らなかったりすると、歯が元の位置に戻ろうとする力が働き、後戻りが生じやすくなります。
特に治療直後の数ヶ月間は歯の位置が安定していないため、リテーナーを適切に使用しないとすぐに歯が動いてしまうリスクがあります。リテーナーの重要性を正しく理解し、歯科医師の指示通りに使用することが後戻り予防には欠かせません。
舌の癖や口呼吸
無意識に舌で歯を押す癖や、口を開けたまま呼吸する口呼吸も後戻りの原因となることがあります。
常に舌で歯に圧力をかけていると、矯正後の歯列が少しずつズレる可能性があります。また、口呼吸が習慣になっていると、口周りの筋肉のバランスが崩れて、歯並びに影響を及ぼすことがあるのです。
特に子どもの場合、これらの癖が成長期の歯並びや顎の発育に大きく影響するため、早期に改善することが求められます。ご自身で改善するのが難しい場合には、専門的な指導を受けることも方法のひとつです。
虫歯や歯周病
虫歯や歯周病も後戻りの要因となります。これらの疾患が進行すると、歯を支える骨や歯茎が弱くなり、矯正によって整えた歯の位置が不安定になります。特に歯周病による歯槽骨の吸収は、歯の動揺を引き起こし、後戻りを助長します。
矯正治療後はつい安心しがちですが、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアを継続することが重要です。口腔内を健康な状態に保つことで、矯正の効果を長く維持することができます。
加齢による歯列の変化
加齢に伴い、歯や顎の骨にも変化が起こります。歯列全体が前方に移動する傾向や、歯と歯の間に隙間ができるなど、年齢とともに歯並びが乱れることがあります。これも後戻りの一因です。
また、加齢により咬合力(噛む力)のバランスが崩れたり、歯のすり減りによって噛み合わせが変化したりすることもあります。
これらは自然な現象ですが、リテーナーの継続使用や歯科医師によるチェックである程度の予防や対応が可能です。年齢に応じたケアを意識することが大切です。
矯正治療後に後戻りを起こすのを防ぐためには

後戻りを防ぐためには、日常生活においていくつかの重要なポイントを意識する必要があります。以下でその具体的な方法を解説します。
リテーナーの装着時間を守る
リテーナーの使用は、後戻り予防の基本です。
治療直後は一日中装着し、数ヶ月後からは就寝時のみの使用に移行するなど、段階的な管理が一般的です。装着時間を自己判断で短くすると、歯の位置が安定する前にずれてしまう可能性があるため、必ず歯科医師の指示に従ってください。
また、リテーナーが破損したり合わなくなったりした場合は、すぐに歯科医師に相談しましょう。
口腔ケアを怠らない
矯正治療後も口腔内を清潔な状態に保つことが非常に重要です。虫歯や歯周病が進行すると、歯を支える骨や歯茎が弱まり、せっかく整えた歯並びが不安定になり後戻りを招きやすくなります。
歯ブラシだけですべての汚れを落とし切ることは難しいため、デンタルフロスや歯間ブラシを使い、歯と歯の間に付着した汚れも丁寧に取り除くようにしましょう。
また、定期的に歯科医院で検診を受けることで、早期のトラブル発見につながります。さらに、歯科医院で歯のクリーニングを受けることで、虫歯や歯周病の予防につながります。
舌や口周りの癖を改善する
舌を前に出す、頬杖をつく、唇を噛むなどの癖は、知らず知らずのうちに歯並びに影響を与えることがあります。こうした癖は、自分では気づきにくいため、意識して改善する必要があります。
特に舌の癖は後戻りの大きな要因となるため、MFT(口腔筋機能療法)などで舌の正しい位置を覚えたり口周りの筋肉を鍛えたりすることが大切です。
食習慣に気をつける
毎日の食習慣も、矯正後の歯並びを維持するうえで重要なポイントです。例えば、片側だけで噛む癖があると、顎に偏った力がかかり、歯列のバランスが崩れる原因になります。
また、硬い食べ物を頻繁に食べることや、長時間ガムを噛むことも、歯に余分な力を与えて後戻りを助長する場合があります。さらに、糖分の多い食事は虫歯や歯周病のリスクを高め、歯を支える組織の健康を損なう恐れがあります。
左右均等に噛むことを意識し、栄養バランスのとれた食事を心がけることが、矯正後の歯並びを安定させるために役立ちます。
定期的に歯科検診を受ける
矯正治療後も、3か月から半年に1回は歯科医院で定期検診を受けることが推奨されます。
後戻りの兆候がないか、虫歯や歯周病の初期症状がないかを確認してもらうことで、大きなトラブルを防ぐことができます。また、その都度、リテーナーの適合を確認してもらうと安心です。
矯正治療後に後戻りを起こしたときの対処法

万が一、矯正治療後に歯が動いてしまったと感じた場合、早めに対応することが重要です。後戻りの程度に応じて、リテーナーの再調整や再治療など、適切な処置を行う必要があります。
リテーナーでの再調整
後戻りの程度が軽度であれば、リテーナーでの再調整で対応できることがあります。
歯科医師が現状の歯列を確認し、リテーナーの形状を修正することで、わずかに動いた歯を元の位置に戻せるケースがあります。また、使用時間を延長して、歯列の安定を図るケースもあります。
ただし、自己判断で以前のリテーナーを再使用するのは危険です。合わないリテーナーを無理に装着すると、歯に負担をかけてしまい、かえって悪化することがあります。気になる症状がある場合は、できるだけ早く歯科医院で相談しましょう。
再治療
後戻りの程度が大きい場合や、リテーナーでは対応できない場合には、再び矯正治療が必要になることもあります。再治療の期間は、初回よりも短く済むこともありますが、再び費用と時間がかかるため、慎重な判断が求められます。
また、再治療後は後戻りを繰り返さないよう、リテーナーの装着や生活習慣の見直しを徹底しましょう。
まとめ

矯正治療後の後戻りは、誰にでも起こりうる現象です。
しかし、その原因を正しく理解し、適切な対策を講じることで、後戻りを最小限に抑えることができます。
特にリテーナーの使用や生活習慣の見直しは、歯並びを安定させるために欠かせない要素です。また、万が一後戻りが生じた場合でも、早めに対処することで深刻なトラブルを回避することができます。
矯正治療は、装置を外して終わりではなく、治療後の維持・管理も含めて完結するものです。この記事で解説した内容を参考に、長期的に美しい歯並びと健康な口元を保ちましょう。
歯列矯正を検討されている方は、尼崎市長洲西通、JR「尼崎駅」南口より徒歩1分にある歯医者「すずき歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。
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