奥歯のインプラント治療とは?入れ歯・ブリッジとの違いや費用、期間を解説

2025年09月19日(木)
歯のコラム

こんにちは。尼崎市長洲西通、JR「尼崎駅」南口より徒歩1分にある歯医者「すずき歯科クリニック」です。

奥歯のインプラント治療について考えるイメージ

奥歯を失ってしまい「しっかり噛めない」「見た目や機能をどう回復すればいいのか」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。

奥歯は食事や会話の際に大きな役割を果たすため、そのまま放置すると噛み合わせの悪化や他の歯への負担増加など、さまざまなトラブルにつながる可能性があります。

なかには、失った奥歯を補う治療としてインプラントを検討されている方もいらっしゃるでしょう。

今回は、奥歯をインプラントにするメリットやデメリット、費用などについて解説します。インプラント治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療とは

奥歯をインプラントにする様子

インプラント治療とは、顎の骨に人工の歯根であるインプラント体を埋め込み、そのうえに人工歯を取り付けて歯の機能を補う治療法です。

インプラントは、顎の骨に埋め込む人工歯根(インプラント体)、その上に取り付ける人工の歯(上部構造)、人工歯根と人工歯をつなぐアバットメントの3つの部品で構成されています。これらが一体となることで、天然歯に近い噛み心地を目指します。

ブリッジや入れ歯との違い

失った歯を補う治療には、インプラントのほかにブリッジと入れ歯があります。

ブリッジとは、欠損した歯の両隣の健康な歯を支えにして、人工の歯を橋のようにかける治療法です。ブリッジの場合、支えとする両隣の歯を削る必要があります。

一方でインプラントは、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療法です。周囲の歯を削る必要がなく、自立した構造を持つため、天然歯に近い機能と見た目を実現できます。

また、入れ歯は取り外し可能な人工歯です。部分入れ歯はバネなどを使って残存歯に固定し、総入れ歯は口腔内の吸着力で支えます。入れ歯の場合、噛む力が天然歯の2〜3割程度にとどまるといわれています。

一方、インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込むことで、天然歯に近い噛み心地と安定性が得られます。違和感が少なく、食事や会話も自然に行える点が特徴です。

奥歯のインプラント治療の流れ

奥歯をインプラントにするためのレントゲン検査

ここでは、奥歯のインプラント治療の流れについて解説します。

初診とカウンセリング

まずは、初診とカウンセリングからはじまります。ここでは、患者さんのお口全体の状態を確認したり、お悩みや希望をうかがったりします。わからないことや不安なことがある場合は、この場で歯科医師に相談しましょう。

精密検査

次にレントゲン撮影やCT撮影などの精密検査を行います。奥歯の骨の量、神経や血管の位置を把握します。この結果をもとに、歯科医師が治療計画を立てます。その後、具体的な治療の流れや費用、リスクなどについての説明が行われます。

インプラントの埋入手術

インプラント体を顎の骨に埋め込む手術を行います。局所麻酔をしたあとに、歯ぐきを切開して顎の骨にインプラント体を埋め込みます。奥歯は力が集中する部位のため、インプラントを安定させるためには角度や深さの調整が重要です。

その後、歯ぐきを縫合して一次手術は終了です。

治癒期間

顎の骨とインプラント体がしっかり結合するまで2〜6ヶ月ほど治癒期間を設けます。顎の骨とインプラント体が結合したことを確認できたら、次の工程に進みます。

アバットメントの装着

再度歯ぐきを切開してアバットメントと呼ばれる連結部品を装着します。その後、歯ぐきが治癒するまで待ちます。

人工歯の装着

型取りをして最終的に装着する人工歯を作製します。人工歯が出来上がったら装着し、噛み合わせなどを細かく調整して問題がなければ治療終了です。

治療後の経過観察

インプラント治療後は、定期的な経過観察が重要です。

経過観察では、インプラント周囲の歯ぐきや顎の骨、噛み合わせの状態を確認し、異常があれば対応します。特に奥歯は噛む力が強いため、ネジの緩みなどのトラブルが起こりやすいです。そのため、定期的に検診を受けることが大切です。

奥歯のインプラントを長く使うために大切なこと

歯のインプラントを長く使うために歯科医院でメンテナンスを受ける女性

インプラントは入れて終わりではなく、その後のケアが寿命を左右します。ここでは、奥歯のインプラントを長く使うために大切なことを解説します。

日常のケアを丁寧に行う

インプラントを長持ちさせるためには、毎日の丁寧な歯磨きが欠かせません。インプラントの周囲に汚れが残っていると、インプラント周囲炎を起こすリスクが高まります。

インプラント周囲炎とは、インプラント周囲の歯ぐきが炎症を起こす疾患です。進行すると、インプラントが抜け落ちる可能性もあるため、しっかりとケアをして予防することが大切なのです。

特に奥歯は歯ブラシが届きにくいため、必要に応じて歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシを併用することが推奨されます。プラークを残さないことが、インプラントを長く健康に維持する最大のポイントです。

歯磨きの仕方に自信がないときは、歯科医院でブラッシング指導を受けるとよいでしょう。

定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける

自宅でのケアに加え、歯科医院での定期的なメンテナンスも大切です。歯科医院では専用の器具を用いてプラークや歯石を除去します。また、奥歯は噛み合わせの負担が大きいため、被せ物や噛み合わせの状態を定期的に調整することでトラブルを防げます。

一般的には3〜6か月ごとのメンテナンスが推奨されており、これを継続することでインプラントを長く使うことができるでしょう。

生活習慣を見直す

奥歯のインプラントは強い咀嚼力を支えるため、噛み合わせのバランスが崩れると負担が集中して破損やネジの緩みの原因になります。特に歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は、ナイトガードを使用することでインプラントに加わる負担を軽減できます。

また、喫煙は血流を悪化させ、インプラント周囲炎のリスクを高めるため控えることが望ましいです。生活習慣を整えることは、奥歯のインプラントを長持ちさせるための重要なポイントです。

奥歯のインプラントの費用

奥歯のインプラントの費用のイメージ

奥歯のインプラント治療にかかる費用は、1本あたり約30万〜50万円が一般的です。この金額には以下の内容が含まれるのが一般的です。

  • インプラント体や人工歯(上部構造)の材料費
  • 手術費用(麻酔・処置代など)
  • 消毒や投薬の費用

ただし、骨造成などの追加処置が必要な場合は、5万〜30万円程度の費用が加算されることがあります。費用は歯科医院によって異なるため、事前に見積もりを取って確認することが大切です。

なお、奥歯のインプラント治療は、基本的に健康保険の適用外となります。

ただし、事故や病気による顎の大きな欠損など、特定の条件を満たす場合には保険適用の対象になるケースもあります。

奥歯のインプラント治療にかかる期間と通院回数

奥歯のインプラント治療にかかる期間のイメージ

奥歯のインプラント治療にかかる期間は、一般的に6か月〜1年程度です。これは、インプラント体を埋め込んだあと、顎の骨としっかり結合するまでの治癒期間が必要となるためです。抜歯が必要な場合や骨の量が不足していて骨造成が必要な場合は、さらに数か月延びることがあります。

必要な通院回数は5〜8回程度が目安です。初診での検査・説明から始まり、手術、経過観察、アバットメント装着、最終的な人工歯の装着まで、それぞれのステップごとに通院が必要となるため、複数回通院する必要があります。

奥歯をインプラントにするメリット

奥歯をインプラントにするメリットのイメージ

ここでは、奥歯をインプラントにするメリットについて解説します。

噛む力の回復

インプラントは顎の骨にしっかりと固定されるため、ご自身の歯に近い感覚で食べ物を噛むことができます。特に奥歯は噛む力が強く求められるため、しっかり噛めるようになることは大きなメリットといえるでしょう。

周囲の歯への負担軽減

ブリッジ治療と異なり、インプラントは隣接する健康な歯を削る必要がありません。そのため、周囲の歯への負担を抑え、長期的な口腔内の健康維持に寄与すると考えられています。

見た目の自然さ

自然な見た目を再現できる点もインプラントの大きなメリットです。人工歯部分にはセラミックなどの審美性の高い素材が選択されることが多いため、天然歯とほとんど見分けがつかない仕上がりになります。

特に、色や形状は周囲の歯に合わせて細かく調整できるため、装着後も違和感が少なく、笑ったときや会話の際にも目立ちにくいです。ブリッジや入れ歯と比べても、インプラントは歯ぐきとの境目が自然で、審美性を重視する方に選ばれています。

長期的な安定性

インプラントは奥歯の治療において長期的な安定性が期待できる方法です。しっかりとケアを行えば10〜15年ほど使用できるといわれています。

奥歯をインプラントにするデメリット

奥歯をインプラントにするデメリットのイメージ

ここでは、奥歯をインプラントにするデメリットについて解説します。

治療期間が長い

インプラント治療では、人工歯根が顎の骨としっかり結合するまでに時間がかかります。特に奥歯は噛む力が強いため、骨の状態によっては治癒期間がさらに延びる場合があるでしょう。

外科手術が必要

インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込む外科手術が必要となります。手術に伴う腫れや痛み、出血などが起こることもあり、全身疾患がある方は事前に歯科医師と十分に相談することが大切です。

合併症やトラブルのリスク

インプラント治療後には、まれに感染やインプラント周囲炎などの合併症が起こることがあります。また、噛み合わせやメンテナンスの問題が生じることもあるため、定期的な通院とケアが重要です。

まとめ

奥歯をインプラントにした笑顔の女性

インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着して見た目と機能を回復させる治療です。失った奥歯の機能を取り戻す治療法としても多くの方に選ばれています。

治療の流れとしては、初診やカウンセリングから始まり、精密検査、インプラントの埋入手術、治癒期間を経て、人工歯の装着に至ります。奥歯は噛む力が集中するため、治療計画や素材選び、噛み合わせの調整が特に重要になります。

費用も決して安くはありませんが、周囲の歯を守りながらしっかり噛めるようになる点は大きな魅力です。

インプラント治療を検討されている方は、尼崎市長洲西通、JR「尼崎駅」南口より徒歩1分にある歯医者「すずき歯科クリニック」にお気軽にご相談ください。

当院は、QOL向上に役立てるよう、5年後、10年後も快適な生活をしていただくための治療を提供しています。患者様の思いに寄り添い、最良の歯科治療を提供するために絶え間なく研鑽を続け、一生安心して通い続けられる歯科医院を目指しています。

当院の診療案内ページはこちら、お電話でご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

すずき歯科クリニック

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