よくある質問

  • Q1.虫歯の治療にはどれくらいの期間がかかりますか?

    A.虫歯の治療期間は、虫歯の進行度や治療内容によって大きく異なります。あくまで一般的な目安としてお考えください。

    虫歯の進行度と治療期間の目安
    ・初期の虫歯(C0~C1)
    歯の表面が少し溶け始めた段階です。経過観察やフッ素塗布で対応できる場合、治療期間はほとんどかかりません。ごく初期の虫歯であれば、1回の処置で完了することもあります。
    ・中程度の虫歯(C2)
    虫歯がエナメル質の下の象牙質まで達している状態です。この場合、虫歯になっている部分を削り、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)で修復する治療が必要です。通常、1~2回の通院で治療が完了し、1回あたりの治療時間は30分~1時間程度が目安です。
    ・重度の虫歯(C3~C4)
    虫歯が歯の神経(歯髄)まで達している、あるいは歯の根だけが残っている状態です。神経まで達している場合は、歯の根の中をきれいにする根管治療が必要になります。根管治療は複雑で時間のかかる処置であり、一般的に3~5回以上、場合によってはそれ以上の通院が必要になることも多く、治療期間も1ヶ月以上かかることがあります。根管治療後に歯を補強するための土台を作り、さらに被せ物をする場合は、追加で2回ほどの通院が必要です。

  • Q2.親知らずの抜歯はどんな流れで行いますか?

    A.親知らずの抜歯は、歯科口腔外科領域で比較的多く行われる処置の一つですが、安全かつスムーズに進めるためには、事前の準備と抜歯後の適切なケアが大切です。
    一般的な親知らず抜歯の流れと注意点は以下の通りです。

    1. 抜歯前の診察・検査
    ・問診
    まず、患者様の全身的な健康状態、現在服用中のお薬、アレルギーの有無などを詳しくお伺いします。安全に抜歯を行うための重要な情報となります。
    ・レントゲン撮影
    親知らずの位置、歯の根の形や向き、隣の歯との関係、下顎の神経(下歯槽神経)との位置関係などを確認するためにレントゲン撮影を行います。必要に応じて、より詳細な情報を得るために歯科用CT撮影を行う場合もあります。
    ・抜歯計画の説明
    撮影したレントゲン写真やCT画像などをもとに、親知らずの状態、具体的な抜歯の方法、予想される所要時間、抜歯に伴うリスクや合併症の可能性、術後の注意点などについて、歯科医師から詳しく説明を受けます。ご不明な点や不安なことがあれば、遠慮なくご質問ください。

    2. 抜歯当日
    ・麻酔
    抜歯を行う部位に局所麻酔を行います。麻酔が十分に効いていることを確認してから処置を開始しますので、通常、抜歯中に痛みを感じることはありません。
    ・抜歯
    親知らずの生え方によって手技は異なります。まっすぐ生えている場合は比較的簡単に抜けることもありますが、横向きに生えていたり、骨の中に埋まっていたりする場合は、歯茎を切開したり、歯を分割したり、周囲の骨を少し削ったりする必要があることもあります。
    ・止血・縫合
    抜歯した後の穴(抜歯窩)をきれいに洗浄・消毒し、止血のために清潔なガーゼをしっかりと噛んでいただきます。必要に応じて、歯茎を縫い合わせる(縫合)こともあります。

    3. 抜歯後のケア
    ・安静
    抜歯当日はもちろん、その後数日間は、激しい運動や長時間の入浴、飲酒、喫煙などは避け、できるだけ安静にお過ごしください。血行が良くなると、痛みが出たり、出血しやすくなったりすることがあります。
    ・止血
    指示された時間(通常30分~1時間程度)、ガーゼをしっかりと噛み続けて圧迫止血します。唾液に血が混じる状態がしばらく続くことがありますが、多くの場合心配ありません。頻繁にうがいをすると血が止まりにくくなるため、軽くゆすぐ程度にしてください。
    ・痛み・腫れのケア
    抜歯後は、痛みや腫れが出ることが一般的です。処方された痛み止めや抗生物質を指示通りに服用してください。腫れが気になる場合は、濡れタオルや冷却シートなどで軽く冷やすと楽になることがあります。
    ・うがい
    抜歯当日は強いうがいを避け、翌日以降、処方されたうがい薬やぬるま湯で優しくうがいをしてください。強くうがいをすると、傷口の治りを助ける血の塊(血餅)が剥がれてしまうことがあります。
    ・食事
    麻酔が切れてから、抜歯した部位を避け、柔らかく刺激の少ない食事から始めてください。硬いものや熱いもの、香辛料の強いものは避けましょう。
    ・抜糸
    歯茎を縫合した場合、通常1週間~2週間後に抜糸を行います。

    4. 抜歯後の注意点
    ・痛みや腫れ
    抜歯後の痛みや腫れの程度には個人差がありますが、通常は数日から1週間程度で徐々に落ち着いていきます。痛みが長引く場合や、ひどくなる場合はご連絡ください。
    ・ドライソケット
    まれに、抜歯後の穴の血餅(血の塊)がうまくできなかったり、剥がれてしまったりして、骨が露出してしまうことがあります。強い痛みを伴うため、我慢せずに歯科医師にご相談ください。
    ・感染
    抜歯後の傷口から細菌が感染し、強い痛みや腫れ、発熱などを引き起こすことがあります。処方された抗生物質をきちんと服用し、お口の中を清潔に保つことが予防に繋がります。
    ・神経麻痺
    ごくまれに、親知らずの根が下顎の神経に近い場合、抜歯の影響で唇や舌、顎の皮膚などに一時的な感覚の麻痺(しびれ)が出ることがあります。多くは時間とともに回復しますが、症状が続く場合はご相談ください。

    親知らずの生え方や位置、全身状態などによって、抜歯の難易度や術後の経過は異なります。上記はあくまで一般的な流れですので、必ず担当歯科医師の指示に従ってください。抜歯後、何か異常を感じた場合は、自己判断せず、早めにクリニックにご連絡ください。

  • Q3. 歯周病の治療はどのくらいの期間が必要ですか?

    A.歯周病の治療期間は、病気の進行度(ステージ)や治療内容、そして患者様のセルフケアの状況などによって大きく変わってきます。
    早期に発見し治療を開始できれば、比較的短期間で改善が見込めますが、進行してしまっている場合は、相応の治療期間が必要となります。

    歯周病の進行度と治療期間の目安
    ・歯肉炎(軽度)
    歯周病の初期段階で、炎症が歯茎(歯肉)に限局しており、歯を支える骨(歯槽骨)にはまだ影響が及んでいない状態です。この段階であれば、歯科衛生士による数回の歯石除去やクリーニング、そして毎日の丁寧なブラッシング(セルフケア)を実践することで、数週間から数ヶ月程度で健康な歯茎を取り戻すことが期待できます。
    ・軽度から中等度の歯周炎
    炎症が歯茎だけでなく、歯を支える骨にまで進行し、骨が溶け始めている状態です。歯と歯茎の間に「歯周ポケット」と呼ばれる溝が深くなっています。治療としては、歯石除去や歯周ポケット内の徹底的なクリーニング(SRP:スケーリング・ルートプレーニング)、ブラッシング指導などを複数回行います。治療期間は、一般的に3ヶ月から半年程度かかることがあります。
    ・重度の歯周炎
    歯を支える骨が大幅に溶けてしまい、歯がグラグラと動揺している状態です。歯周ポケットも非常に深くなっています。この段階になると、基本的な歯周病治療(歯石除去、SRP、ブラッシング指導)に加えて、歯周外科手術(フラップ手術など)や、失われた骨や歯周組織の再生を促す再生療法が必要になる場合があります。治療期間は半年から1年以上と長期間に及ぶことも少なくありません。

  • Q4. インプラント治療の流れはどうなっていますか?

    A.インプラント治療は、失われた歯の機能を回復するための有効な選択肢の一つですが、外科手術を伴い、他の治療法と比較して治療期間が長くなる傾向があります。
    安心して治療を受けていただくために、一般的な治療の流れをご説明します。

    1. カウンセリング・精密検査・治療計画
    ・カウンセリング
    まず、患者様のお悩みやインプラント治療に対するご希望、疑問点などを詳しくお伺いします。全身の健康状態や既往歴、服用中のお薬なども確認させていただきます。
    ・精密検査
    お口の中の状態を詳細に把握するため、レントゲン撮影や歯科用CT撮影を行います。特にCT撮影では、顎の骨の量や質、神経や血管の位置などを三次元的に正確に確認でき、安全な手術計画に不可欠です。その他、必要に応じて歯周病検査や噛み合わせの検査なども行います。
    ・治療計画の立案・説明
    精密検査の結果をもとに、インプラント治療が可能かどうかを判断し、最適な治療計画(使用するインプラントの種類や本数、手術方法、治療期間、費用など)を立案します。計画内容について、メリット・デメリット、リスクなども含めて詳しくご説明し、患者様にご納得いただいた上で治療を開始します。

    2. 一次手術(インプラント埋入手術)
    ・局所麻酔を行い、手術部位の歯肉を切開して顎の骨を露出させます。
    ・専用のドリルで顎の骨にインプラント(チタン製の人工歯根)を埋め込むための穴を開け、慎重にインプラント体を埋入します。
    ・歯肉を縫合して傷口を閉じます。手術時間は本数や難易度によりますが、通常1~2時間程度です。

    3. 治癒期間(骨結合期間)
    ・埋め込んだインプラントと顎の骨がしっかりと結合(オッセオインテグレーション)するまで、安静期間を設けます。この期間は、骨の状態や患者様の全身状態などによって個人差がありますが、一般的に下顎で2~4ヶ月、上顎で3~6ヶ月程度が目安です。
    ・この間、必要に応じて仮歯を装着し、日常生活に支障がないように配慮します。

    4. 二次手術(アバットメント装着手術) ※一次手術でアバットメントまで装着する場合(1回法)もあります。
    ・インプラントと骨が十分に結合したら、再度局所麻酔を行い、歯肉を小さく切開してインプラント体の上部を露出させます。
    ・インプラント体の上に、人工歯(上部構造)を連結するための土台となる部品「アバットメント」を装着します。
    ・歯肉の治癒を待ちます(通常1~2週間程度)。
    5. 人工歯(上部構造)の製作・装着
    ・アバットメントの精密な型取り(IOSスキャナーを使用する場合もあります)を行い、その型をもとに歯科技工士が患者様の歯の色や形に合わせたオーダーメイドの人工歯(セラミックなどで作製)を製作します。
    ・完成した人工歯をアバットメントに装着し、噛み合わせなどを調整して治療完了です。

    6. メンテナンス
    ・インプラントを長持ちさせるためには、治療後のメンテナンスが非常に重要です。インプラント自体は虫歯になりませんが、周囲の歯肉が歯周病に似た状態(インプラント周囲炎)になることがあります。
    ・毎日の丁寧なセルフケアに加え、歯科医院での定期的な検診(通常3~6ヶ月に1回)を受け、インプラントの状態チェックや専門的なクリーニングを行うことが不可欠です。

    インプラント治療に関する注意点
    インプラント治療は、患者様のお口の状態や全身の健康状態によっては適用できない場合もあります。また、治療期間や費用、手術方法などは個々のケースによって異なります。治療を開始する前には、必ず歯科医師と十分に相談し、治療内容についてよく理解し、納得した上で進めるようにしましょう。より詳しい情報やご自身のケースについては、お気軽に当院にご相談ください。

  • Q5.矯正治療はどれくらいの期間がかかりますか? 駐車場はありますか?

    A.矯正治療にかかる期間は、患者様一人ひとりのお口の状態(歯並びの乱れの程度や種類)、年齢、選択される治療方法(ワイヤー矯正かマウスピース矯正か、全体矯正か部分矯正かなど)、そして患者様の協力度など、様々な要因によって大きく異なります。
    そのため、一概に「何年で終わります」と断言することは難しいのですが、一般的な目安として以下のようになります。

    矯正方法と範囲による治療期間の目安

    アライナー矯正(マウスピース矯正)
    部分矯正(前歯など気になる部分のみ)
    およそ2ヶ月~1年程度
    全体矯正(奥歯を含めた全体の歯並び・噛み合わせ)
    およそ1年~3年程度

    ワイヤー矯正(歯の表面に装置をつける方法)
    部分矯正:およそ2ヶ月~1年程度
    全体矯正:およそ1年~3年程度

    治療期間に影響を与える主な要因
    ・歯並びの状態
    歯のガタガタ(叢生)の程度、出っ歯(上顎前突)、受け口(下顎前突)、開咬(奥歯で噛んでも前歯が閉じない)など、不正咬合の種類や重症度によって歯を動かす距離や難易度が異なり、治療期間に影響します。抜歯が必要なケースは、一般的に治療期間が長くなる傾向があります。
    ・年齢
    一般的に、骨が柔らかく歯が動きやすい成長期のお子様や若い方の方が、成人の方よりも歯の移動がスムーズに進み、治療期間が短くなる傾向があります。しかし、成人の方でも問題なく矯正治療は可能です。
    ・骨格の状態
    歯並びだけでなく、顎の骨格に問題がある場合(骨格性の不正咬合)は、歯の移動に時間がかかったり、場合によっては外科手術が必要になったりすることもあり、治療期間が長くなることがあります。
    ・使用する矯正装置
    ワイヤー矯正の中でも使用するブラケットやワイヤーの種類、アライナー矯正(インビザラインなど)といった装置の種類によって、歯の動かし方や得意な動きが異なり、治療期間に影響する場合があります。
    ・患者様の協力度
    矯正治療をスムーズに進めるためには、患者様のご協力が不可欠です。特にアライナー矯正の場合は、決められた装着時間を守ることが非常に重要です。装着時間が短いと計画通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまいます。ワイヤー矯正の場合も、装置の破損に繋がるような硬いものを不用意に食べたり、定期的な通院を怠ったりすると、治療が長引く原因となります。
    ・歯科医師の治療計画と技術
    経験豊富な歯科医師は、効率的で無理のない治療計画を立て、治療中のトラブルにも適切に対応できるため、結果的にスムーズな治療進行に繋がることがあります。

    治療期間に関する注意点
    上記はあくまで一般的な目安であり、実際の治療期間には個人差が大きいことをご理解ください。また、歯を動かす期間(動的治療期間)が終了した後も、歯並びが元に戻るのを防ぐための保定期間(リテーナーと呼ばれる装置を使用)が必要になります。正確な治療期間については、精密検査と診断を行った上で、担当の歯科医師から詳しく説明を受けてください。

  • Q6. ホワイトニングの効果はどのくらい持続しますか?

    A.歯科医院で行うホワイトニング(オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、または両者を併用するデュアルホワイトニング)で得られた歯の白さの持続期間は、残念ながら永久ではありません。
    効果の持続期間は、患者様個々の歯の質、生活習慣(食事、喫煙など)、選択されたホワイトニング方法、そしてその後のケアによって大きく異なります。
    一般的な目安としては以下の通りです。

    ホワイトニング方法別の効果持続期間の目安
    ・オフィスホワイトニング
    歯科医院で、比較的高濃度の薬剤と特殊な光などを用いて行う方法です。短時間で効果を実感しやすいのが特徴ですが、色の後戻りも比較的早い傾向があり、一般的には3ヶ月~6ヶ月程度の持続期間とされています。
    ・ホームホワイトニング
    歯科医院で作製した患者様専用のマウスピースと、比較的低濃度の薬剤を用いてご自宅で行う方法です。効果が現れるまでに時間はかかりますが、歯の内部からじっくりと白くしていくため、色持ちが良いとされ、一般的には6ヶ月~1年程度の持続期間が期待できます。
    ・デュアルホワイトニング
    オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用する方法です。オフィスホワイトニングの即効性と、ホームホワイトニングの持続性を兼ね備えており、最も効果が高く、色持ちも良いとされています。個人差はありますが、1年~2年程度、あるいはそれ以上効果が持続することも期待できます。

    効果の持続に影響を与える要因
    ・食生活
    コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、チョコレート、醤油、ケチャップなど、色の濃い飲食物を日常的に摂取する習慣があると、歯に色素が付着しやすく(着色)、白さが失われるのが早くなる傾向があります。
    ・喫煙
    タバコに含まれるヤニ(タール)は、歯の着色の大きな原因となります。喫煙習慣があると、ホワイトニング効果の持続期間は短くなります。
    ・歯磨きなどのセルフケア
    毎日の丁寧な歯磨きで歯の表面の汚れを落とし、着色を防ぐことが大切です。着色しやすい飲食物を摂った後は、早めに歯を磨いたり、口をゆすいだりする習慣も効果的です。
    ・歯の質
    エナメル質の厚さや密度、元々の歯の色など、歯の質には個人差があり、ホワイトニング効果の現れ方や持続期間にも影響します。

    白さを長持ちさせるためのポイント
    ・ホワイトニング処置後、特に24~48時間は色の濃い飲食物や喫煙を控えるようにしましょう。
    ・毎日の丁寧な歯磨きを継続し、歯の表面の着色を防ぎましょう。ホワイトニング効果のある歯磨き粉や、着色除去効果のある歯磨き粉の使用も補助的に有効です。
    ・定期的に歯科医院でメンテナンス(クリーニング、PMTC)を受け、歯の表面の汚れや着色を除去してもらいましょう。
    ・白さが気になってきたら、再度ホワイトニング(タッチアップ)を行うことで、白さを維持することができます。特にホームホワイトニングは、ご自身のタイミングで追加のホワイトニングを行いやすいというメリットがあります。

    当院では、ホワイトニング前のカウンセリングで、患者様のライフスタイルやご希望を伺い、最適なホワイトニング方法をご提案するとともに、効果を長持ちさせるためのアドバイスも丁寧に行っています。お気軽にご相談ください。

  • Q7.入れ歯(義歯)の作製や調整にはどれくらいの期間がかかりますか?

    A.入れ歯(義歯)の作製や調整にかかる期間は、お作りする入れ歯の種類(保険適用か自費か、部分入れ歯か総入れ歯か)、お口の中の状態(抜歯が必要かどうか、顎の骨の状態など)、そして作製後の調整の必要度合いなどによって異なります。

    入れ歯の種類と製作期間の目安
    ・保険診療の入れ歯
    部分入れ歯(残っている歯にバネをかけて固定するタイプ)
    型取りから完成まで、通常2週間~1か月程度の期間が必要です。数回の通院が必要になります。
    ・総入れ歯(全ての歯を失った場合)
    型取りから完成まで、一般的に1か月程度の期間が必要です。部分入れ歯よりも工程が多く、噛み合わせなどを精密に記録するため、通院回数も多くなる傾向があります。
    ・自費診療の入れ歯(金属床義歯、ノンクラスプデンチャーなど)
    自費診療の入れ歯は、使用する材料や設計の自由度が高く、より精密な型取りや噛み合わせの記録、試適(試着・調整)など、多くの工程を経て丁寧に作製されます。そのため、製作期間は保険の入れ歯よりも長くなることが一般的で、型取りから完成までにおよそ2ヶ月~3ヶ月程度の期間を要する場合があります。

    調整期間について
    新しい入れ歯は、完成してすぐにお口に完全に馴染むわけではありません。実際に使ってみて初めて、歯茎に当たって痛い部分や、噛み合わせの不具合などが出てくることがよくあります。そのため、入れ歯が完成した後も、お口にぴったりと合うように数回の調整が必要になるのが一般的です。この調整期間には個人差が大きく、1~2回の調整で済む方もいらっしゃれば、数回以上の調整が必要となる方もいらっしゃいます。特に、初めて入れ歯を使用される方や、総入れ歯の場合は、慣れるまで、また快適に使えるようになるまで、調整に時間がかかる傾向があります。

  • Q8.セラミック治療のメリットとデメリットは何ですか?

    A.セラミック治療は、虫歯治療などで削った部分を補う詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)に、セラミック(陶材)を使用する治療法です。
    保険適用の銀歯などと比較して、多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
    治療を選択される際には、双方をよく理解していただくことが大切です。

    セラミック治療のメリット
    ・審美性が高い(見た目が自然で美しい)
    セラミックは、天然の歯に近い色調や透明感を再現できるため、口元で目立つことなく、非常に自然で美しい仕上がりになります。特に前歯など、見た目が気になる部分の治療に適しています。また、金属のように変色したり、歯茎が黒ずんだりする心配もほとんどなく、長期間にわたってその美しさを維持できます。
    ・機能性が高い(体に優しい)
    セラミックは、天然歯に近い硬さを持つため、噛み合わせの機能をしっかりと回復させることができます。また、金属を一切使用しないオールセラミックであれば、金属アレルギーの心配がなく、身体にとても優しい素材です。表面が非常に滑らかで、汚れ(プラーク)や細菌が付着しにくいという特徴もあり、銀歯などと比較して虫歯や歯周病のリスクを低減できる可能性があります。
    ・耐久性が高い(長持ちしやすい)
    セラミックは化学的に安定した素材であり、お口の中で唾液に溶け出したり、劣化したりすることがほとんどありません。金属のように錆びることもなく、適切なケアとメンテナンスを行えば、長期間(一般的に10年以上)にわたって良好な状態を維持できる可能性が高いと言われています。

    セラミック治療のデメリット
    ・費用が高額になる傾向がある
    セラミック治療は、基本的に健康保険が適用されない自由診療(自費診療)となります。そのため、保険適用の銀歯などと比較して、治療費が高額になる傾向があります。使用するセラミックの種類や治療する歯の部位によって費用は異なります。
    ・治療期間が長くなる場合がある
    精密な型取りや、歯科技工士によるオーダーメイドでの製作が必要となるため、保険適用の治療と比較して、完成までに時間がかかり、治療期間が長くなる場合があります。
    ・割れたり欠けたりするリスクがある
    セラミックは陶材であるため、非常に硬い一方で、強い衝撃や過度な力が加わると、金属に比べて割れたり欠けたりする可能性があります。特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、破損のリスクが高まるため、注意が必要です(ナイトガードの使用などを検討します)。
    ・歯を削る量が多くなる場合がある
    治療の種類や設計によっては、十分な強度や審美性を確保するために、金属の詰め物・被せ物よりも歯を削る量が若干多くなる場合があります。歯を削る量が増えると、歯の神経への影響も考慮する必要があります。

  • Q9.予防歯科ではどのようなケアを行いますか?

    A.予防歯科とは、虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、「なる前に防ぐ」ことを目的とした歯科医療のアプローチです。
    お口の健康を維持し、将来的な治療の負担を減らすために、当院では以下のようなケアを中心に行っています。

    1. 定期検診とプロフェッショナルクリーニング
    ・口腔内検査(定期検診)
    歯科医師や歯科衛生士が、お口の中を隅々までチェックします。虫歯や歯周病の兆候がないか、詰め物や被せ物に異常はないか、歯茎の状態、噛み合わせなどを定期的に確認することで、問題の早期発見・早期対応に繋げます。
    ・歯垢・歯石の除去(PMTC:Professional Mechanical Tooth Cleaning)
    毎日の歯磨きだけでは落としきれない歯の表面の汚れ(バイオフィルムと呼ばれる細菌の膜)や、歯石(歯垢が硬くなったもの)を、歯科衛生士が専門的な器具と技術を用いて徹底的に除去・清掃します。これにより、虫歯や歯周病の原因となる細菌の温床を取り除き、歯の表面をツルツルに磨き上げることで、汚れが付着しにくい状態にします。
    ・フッ素塗布
    歯の質を強化し、虫歯菌が出す酸に対する抵抗力を高める効果のあるフッ素を、歯の表面に塗布します。特に、生えたばかりの歯(幼若永久歯)や、虫歯になりやすい方、根元が露出している方などに効果的です。

    2. 虫歯・歯周病を予防するための処置
    ・シーラント
    奥歯の溝は複雑な形状をしており、歯ブラシが届きにくく、虫歯になりやすい場所です。この溝を、あらかじめ歯科用のプラスチックで埋めておくことで、食べカスや歯垢が溜まるのを防ぎ、虫歯を予防します。特に、お子様の生えたての永久歯(6歳臼歯など)に効果的な処置です。
    ・歯磨き指導(TBI:Tooth Brushing Instruction)
    患者様一人ひとりのお口の状態や歯並び、ライフスタイルに合わせて、最適な歯ブラシの選び方、効果的な磨き方、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助清掃用具の正しい使い方などを、歯科衛生士が丁寧に指導します。毎日のセルフケアの質を高めることが、予防の基本です。
    ・食生活指導
    砂糖の摂取頻度や、間食の摂り方など、虫歯や歯周病のリスクを高める食習慣についてアドバイスを行い、改善をサポートします。

    3. その他のアプローチ
    ・唾液検査
    唾液の量や質(緩衝能)、含まれる細菌の種類や数などを調べることで、虫歯や歯周病へのなりやすさ(リスク)を客観的に評価し、より個人に合わせた予防プログラムを立てるための参考にします。
    ・生活習慣指導
    喫煙やストレス、睡眠不足など、お口の健康に悪影響を与える可能性のある生活習慣についてもお話を伺い、改善に向けたアドバイスを行うことがあります。

    予防歯科のメリット
    これらのケアを定期的に継続することで、虫歯や歯周病になるリスクを大幅に減らすことができます。また、万が一、問題が発生した場合でも早期に発見できるため、治療が軽度で済み、結果的に治療にかかる時間や費用を抑えることにも繋がります。「自分の歯で生涯にわたって美味しく食事をし、笑顔で会話を楽しむ」ために、予防歯科は非常に重要です。痛くなってからではなく、健康なうちから歯科医院で定期的なケアを受ける習慣をつけましょう。

すずき歯科クリニック

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